事業報告
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書評詳細
「国際観光誘致のしかた」インバウンド・ツーリズム振興の基本
| 著者 | 観光進化研究所代表 小林天心 |
|---|---|
| 出版社 | 株式会社虹有社 |
| 発刊日 | 2011年10 月下旬発行 |
| 書評執筆者 | 島川崇 |
| 書評執筆者所属 | 東洋大学 |
| 書評公開日 | 2011.12.05 |
書評
この原稿は、旅行会社の幹部向けの勉強会の講師として招かれたある地方都市のホテルで書いている。これから起こるであろう激動の国際情勢と日本外交に絡めて観光の将来を語ってきた。しかし、古株の幹部になればなるほど目の前に起こっている事象以外に興味を示さない。旅行会社なんて世界を相手にビジネスをしているにもかかわらず、世界で起こっていることに驚くほど無関心、無頓着なのは今に始まったことではない。思い出せば、本書の著者小林天心先生との出会いもまさにそんなシチュエーションだった。私がまだ英国から帰って間もない頃、旅行業界の幹部の方々が集まった勉強会で講演を行った。私の実質のデビュー講演だ。観光は外交の一手段だとの主張に、反応は散々だった。「この若造が」という暖かくない目が多数を占める中、私の主張に興味をもってくださった方が3人いらっしゃった。その中の1人が他でもない小林天心先生であった。
そのとき以来、小林天心先生の観光にかける情熱、日本文化に対する愛、そして世界の環境問題への関心や平和を希求する想いに触れ、私も観光を通じて人間の生き様をいまこそ考え直さないといけないと、改めて認識を新たにしている。本書はそんな小林先生の想いが詰まった渾身の作である。
もちろん、ご自身のニュージーランド観光局日本局長や小笠原観光プロデューサー等を歴任された幅広いご経験に基づいた、インバウンド誘致のためのマーケティングの技法や、地方観光局設立のノウハウなど実用書としても読み応えがあるのは勿論だが、なんといっても、小林先生の古典から最新の国際情勢におよぶ知見に裏打ちされた理念ある明快な主張は他の追随を許さない。観光学が独立した学問として認知されるためには、このような理念を持つことが不可欠である。「観光哲学」、「観光政治学(観光行政学ではなく)」という分野を将来構築していくならば、本書がまさに鏑矢として位置づけられると確信する。
観光の可能性に夢を託して観光学の門を叩いた学生たちには、在学中は観光業の現状を学ぶことに役に立ち、将来観光業に従事し、目の前のオペレーション以外に注意が向かなくなったとき、観光の原点を都度思い出すために、是非座右に必携しておきたい本としてお勧めしたい。
そのとき以来、小林天心先生の観光にかける情熱、日本文化に対する愛、そして世界の環境問題への関心や平和を希求する想いに触れ、私も観光を通じて人間の生き様をいまこそ考え直さないといけないと、改めて認識を新たにしている。本書はそんな小林先生の想いが詰まった渾身の作である。
もちろん、ご自身のニュージーランド観光局日本局長や小笠原観光プロデューサー等を歴任された幅広いご経験に基づいた、インバウンド誘致のためのマーケティングの技法や、地方観光局設立のノウハウなど実用書としても読み応えがあるのは勿論だが、なんといっても、小林先生の古典から最新の国際情勢におよぶ知見に裏打ちされた理念ある明快な主張は他の追随を許さない。観光学が独立した学問として認知されるためには、このような理念を持つことが不可欠である。「観光哲学」、「観光政治学(観光行政学ではなく)」という分野を将来構築していくならば、本書がまさに鏑矢として位置づけられると確信する。
観光の可能性に夢を託して観光学の門を叩いた学生たちには、在学中は観光業の現状を学ぶことに役に立ち、将来観光業に従事し、目の前のオペレーション以外に注意が向かなくなったとき、観光の原点を都度思い出すために、是非座右に必携しておきたい本としてお勧めしたい。


