事業報告
日本国際観光学会が行った事業の報告です。すべての方がご覧になれます。
書評詳細
「観光立国ニッポン事始め」観光学オピニオンシリーズ1
| 著者 | 鈴木 勝 |
|---|---|
| 出版社 | 日中出版 |
| 発刊日 | 2008年4月刊 |
| 書評執筆者 | 櫻井 正明 |
| 書評執筆者所属 | ノブレス・グループ顧問、大阪観光大学非常勤講師 |
| 書評公開日 | 2008.09.01 |
書評
1.はじめに
本書は大学のホームページ・オピニオン欄での「提言コメント」をまとめられたもので、3部作の第1作目である。
実業界出身の大学教員である著者ならではの、観光の行政、産業界、学術界の多方面にわたる現場感覚豊かな切り口でコメントが発せられている。
著者の示唆に富んだ提言は、平易なセンテンスで表現されているが、観光の各分野に携わる人たちには、いちいち納得する事が多く、それぞれに初心にかえる必要を感じるであろう。
また観光学を学んでいる学生達にとっても、「日本の観光」の現実と、多くの基本的課題に気付く事の出来る手引書となる。
2.本書の概要と内容
I章では、観光立国を目指して動き出した日本の、囲、地方行政、国民についての問題点指摘と提言が行われている。
VJCでの「2010年1000万人目標」について、企業では当然の、達成に向けての「目標数値のグルーピング」や「区分けされた目模数値達成への具体的行動」などについて、明示やそのシナリオ、アクションプランが見えてこない事への素朴な疑問が呈されている。またプロモーション活動の後進性の克服、受け入れ態勢や国民自身のホスピタリティ改善を訴えている。
それらは観光立国で成功している各国から学ぶべき事例をあげての説得性のあるコメントとなっている。
II章では観光に携わる全ての人たち、教師であれ、役人であれ、実業人であれ、当然気付かれるべき観光立国への具体的なアクション提案がちりばめられている。
事例の一つとして新規に日本へ乗り入れた有力デスティネーションを持たない航空会社をうまく生かす企画発想などの重要性などを説き、旅行会社においては「着実に販売を伸せるロングセラー商品」を企画できる人材の育成を求め、お客様オリエンテイッドであるはずの観光業で、宿泊施設のランク付けが自らの手では実現しない日本の観光業界について軽いタッチで核心を突くコメントをしている。
III章では学術・教育界へのコメントである。観光学は新しく、また学際的な学問であるところから、他学部からの応援で新規学部・学科を成り立たせようとする傾向が目立ち、専門家が少ない。とりわけインバウンドでの専門家が極端に少ない現状を憂い、観光産業界と大学や学術界に有能な人材が行き交う仕組みが必要と提言している。
IV章は国際観光のメリットとデメリットなどの基礎知識である。国際観光を発展させられるための究極の要素はソフトインフラ、受入れ国での「国民のホスピタリティマインド」であるしている。
3.本書の評価
本書は一つのテーマを論じたものではない。したがって具体的に論は深められていない。
そのことを前提にしても、学術界と括っているII章は、I、II章に比して「提言」が少ないのは寂しい。IV章をも、今少し厚みのある内容にし、全体バランスを考えれば学生には「より良い手引書」となったであろう。
本書は大学のホームページ・オピニオン欄での「提言コメント」をまとめられたもので、3部作の第1作目である。
実業界出身の大学教員である著者ならではの、観光の行政、産業界、学術界の多方面にわたる現場感覚豊かな切り口でコメントが発せられている。
著者の示唆に富んだ提言は、平易なセンテンスで表現されているが、観光の各分野に携わる人たちには、いちいち納得する事が多く、それぞれに初心にかえる必要を感じるであろう。
また観光学を学んでいる学生達にとっても、「日本の観光」の現実と、多くの基本的課題に気付く事の出来る手引書となる。
2.本書の概要と内容
I章では、観光立国を目指して動き出した日本の、囲、地方行政、国民についての問題点指摘と提言が行われている。
VJCでの「2010年1000万人目標」について、企業では当然の、達成に向けての「目標数値のグルーピング」や「区分けされた目模数値達成への具体的行動」などについて、明示やそのシナリオ、アクションプランが見えてこない事への素朴な疑問が呈されている。またプロモーション活動の後進性の克服、受け入れ態勢や国民自身のホスピタリティ改善を訴えている。
それらは観光立国で成功している各国から学ぶべき事例をあげての説得性のあるコメントとなっている。
II章では観光に携わる全ての人たち、教師であれ、役人であれ、実業人であれ、当然気付かれるべき観光立国への具体的なアクション提案がちりばめられている。
事例の一つとして新規に日本へ乗り入れた有力デスティネーションを持たない航空会社をうまく生かす企画発想などの重要性などを説き、旅行会社においては「着実に販売を伸せるロングセラー商品」を企画できる人材の育成を求め、お客様オリエンテイッドであるはずの観光業で、宿泊施設のランク付けが自らの手では実現しない日本の観光業界について軽いタッチで核心を突くコメントをしている。
III章では学術・教育界へのコメントである。観光学は新しく、また学際的な学問であるところから、他学部からの応援で新規学部・学科を成り立たせようとする傾向が目立ち、専門家が少ない。とりわけインバウンドでの専門家が極端に少ない現状を憂い、観光産業界と大学や学術界に有能な人材が行き交う仕組みが必要と提言している。
IV章は国際観光のメリットとデメリットなどの基礎知識である。国際観光を発展させられるための究極の要素はソフトインフラ、受入れ国での「国民のホスピタリティマインド」であるしている。
3.本書の評価
本書は一つのテーマを論じたものではない。したがって具体的に論は深められていない。
そのことを前提にしても、学術界と括っているII章は、I、II章に比して「提言」が少ないのは寂しい。IV章をも、今少し厚みのある内容にし、全体バランスを考えれば学生には「より良い手引書」となったであろう。


