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事業報告

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書評詳細

「ツーリズムの新しい諸相」-地域振興×観光デザイン-

著者小林 天心
出版社虹有社
発刊日2008年9月刊
書評執筆者香川 眞
書評執筆者所属日本国際観光学会会長
書評公開日2008.11.01

書評

 本書は、小林天心氏が『トラベルジャーナル』誌に2005年から3年間にわたりコラム連載してきた「観光振興の技法」を纏めたものである。
目次構成は、
・はじめに
・ 第1章「新しいツーリズム・デザインのヒント」
・第2章「観光・旅行産業と明日への技法」
・第3章「次世代へつなげる観光と地域振興」
・第4章「観光立国に向けての課題は何か」
・あとがき
となっており、各章は、15-20の節=トピックスからなっている。
第1章-第3章に収録されたトピックスは、その多くが事例分析であり、本書の結論=主張である第4章への布石となっている。第1章は観光のグランドデザイン、第2章は事業者にフォーカス、第3章は地元にフォーカスした事例分析である。
本書については、2008年11月9日、日経新聞で、石森秀三氏(北海道大学観光学高等研究センター長)が、「今を読み解く/観光革新、国家的課題に」のなかで、「観光立国時代の日本における観光革新や暮らし革新などについて鋭く切り込んでおり、ご意見番として教えられる点が多い」と、書評している。
小林天心氏は、1968年同志社大学を卒業、旅行会社に勤務、おそそ30年間にわたり、カナダ、アラスカ、オセアニア、極地、など、海外旅行の新しいデスティネーション開発に携わってこられた。1998年からはニュージーランド観光局日本支局長、2005年からは観光進化研究所の代表、現在は北海道大学大学院で非常勤講師もされておられる。氏のこうしたキャリアに裏打ちされた目線からの事例分析と主張のすべてが、観光事業者や地域で観光振興に携わる人々だけでなく、われわれ観光研究者にとっても「そうだったか」と、進むべき途を確認する道標となる。環境問題、南北問題を観光現象と同じ目線で捉える氏のスタンスがわれわれ読者の共感を呼ぶといったら、いいすぎだろうか。
第2章のトピックスの一つ「インバウンド専業の新会社を」では、「韓国なり中国なりの業者が、日卒でインバウンド業務を扱ってしまう。あるいは白バスの問題等々、すべて4.0年前から我々が諸外国においてやってきたことであり、体験済みの事柄ばかりである。その後、我々はどうビジネスを変化させてきただろうか」との指摘がある。この切れ味が、本書を一気に読ませる、もう一つの理由となっている。

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